どうも、しーるどです。
今回は、博士号の日本企業での使い道について、個人的な経験から述べていきたいと思います。
・博士課程に進学しようか迷っている学生さん / 社会人の方
博士号のメリット・デメリット
博士号取得のメリット・デメリットについては、いろんな方がブログやSNSで情報発信されています。
だいたい一般的な博士号(理系に限る)のメリット・デメリットは↓↓だと思います。
メリット | デメリット |
・エンジニアとしてポジショニングが確立する。 (分野に関するスペシャリストの証明) ・名刺に学位名(博士(●)、Ph.D)を印字できる。 ・海外とのやり取りがスムーズ。 | ・取得に時間とお金が必要。 ・専門性が高く、使いにくい人と勘違いされる。 ・日本では特定の業界を除き、反応が薄い。 |
今回は、デメリットの中の日本企業での博士号の使い道について、個人的な経験も含めて述べたいと思います。
日本で博士号が必要なケース
↑の表のデメリット欄にありますように、日本では特定の業界を除き、あまり博士号が直接的に効果を発揮する場面は少ないと思います。
博士号が関連する特定の業界とは、
- アカデミア(大学や高専の教員)
- 国立研究開発法人の研究職
- 製薬業界の研究職
等が挙げられ、応募時に博士号が要件となるケースが多いです。(必須ではないこともあります。)
一般企業では、↑↑で製薬業界としましたが、その他の製造業では新卒でも中途でも、応募に博士号が必須要件となっている案件を見たことが無い気がします。。
ただし、新卒で学部卒、修士卒の場合、「配属ガチャ」と呼ばれる事案が発生するケースが多いと思います。しーるどが過去、製造業で見てきた例だと、、、
- 電子部品メーカで、機械系専攻の修士卒が、材料(セラミック)開発のエンジニアに。
- 電子部品メーカで、電気系専攻の修士卒が、通信モジュールの技術営業に。
- 自動車メーカで、化学専攻の修士卒が、車体振動のエンジニアに。
なんてことがありました。
ただ、↑↑の例だと配属された本人は、特に気にすることなく新たな環境に馴染んでいました☺
日本企業では、修士卒だと専門性が認められることがあまり無いのかなと思います。
日本企業(製造業)では名刺交換時に時々反応されるだけ。
私は、電子部品メーカ、自動車メーカ、非鉄金属メーカ、電機メーカ(現在)に勤めてきましたが、博士号を持っていて特段のメリットを感じたことはありません。特に転職や出世時に有利に働いていると感じることもありません。「足の裏の米粒」ですね。
時々、他社の方と名刺交換するときに、「博士号持ってるんですね~」と反応されるくらいです。
同じ会社の同僚にも博士号持ち、と知らせる機会はほとんどなく(また知らせるメリットもなく)、他社の方と名刺交換したときに、「博士号持ってたんだ?!」と同僚に静かに気づかれるケースがあるくらいです。
海外企業では反応良好です。
海外の大小様々な企業、ベンチャー、大学教員などと打ち合わせするときは、反応が大きいです。
打ち合わせ前にメールの署名欄に”Taro Yamada, Ph.D.”とか入れてやり取りをしているのですが、そのあとの打ち合わせ時に「Ph.Dを持っているのか、なんの専門家なんだ?」と話題になったり、(気のせいかもしれませんが)その後の技術的なやり取りがスムーズになる気がします。
海外企業だと就職に有利だったり、管理職登用の要件になるとも聞きます。大学発の海外ベンチャーなどは、CEOがPh.D持ちであるケースが多かったりします。
↓↓は文部科学省による各国の企業研究者における博士号取得者の割合をみると、日本に比べても海外の博士号取得者の登用が多いのが分かりますね~
図. 企業研究者の博士号取得者の割合
文部科学省,”博士人材の社会の多様な場での活躍促進に向けて”,図26, 平成29年1月16日
博士人材の社会の多様な場での活躍促進に向けて(これまでの検討の整理) 参考資料2 (mext.go.jp)
何かの参考になれば幸いです。
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